社長挨拶

アドヴォネクストは、山梨県にあります。
明治41年(1908年)以来、この地で、印刷を続けてきました。しかし、最近では、印刷をしない仕事も増えています。また、山梨県の仕事だけではなくて、東京の仕事もしています。
私は、1999年、春に、代表取締役社長にならせていただきました。それ以来、みんなで、育て合う教育を大切にした経営を、心掛けてきたつもりです。
企業は、理念の達成のために、様々な努力をしています。企業にとって、理念達成は、生きる目的そのものであり、人に置き換えると、生きがいともいえるものだから。利益とは、その達成のために、社会に貢献し続けるために、必要なものだと思っています。
一に、理念達成。
その理念の第一行目は、『私たちは、知識を生産』する企業を目指している、というものです。
それを表現するために、『守・破・離』と言う、日本古来の教えを、大切にしています。




 知識とは、先人の残してくれた財産です。我々の営む、印刷と言う生業(なりわい)も、15世紀の中ごろ、ヨハネス・グーテンベルクが、活版印刷を 発明したおかげで、成り立っています。その100年後には、ベルギーで、世界最古と言われる、印刷会社(出版会社)ができました。

それ以外にも、大勢の先人たちの、日々努力の積み重ねがあったからこそ、今があります。
まずは、その先人たちの教えを大事に、繰り返し繰り返し、行うことで、習得していきます。この段階が『守』です。

そして、次の段階『破』では、いただいた知識に、知恵を加えていきます。
『知恵は、環境の贈り物』と言う言葉があります。
もっと良くできないだろうか、もっとお客さまに喜んでもらうには、様々な、努力をします。新たな技術も開発され、セオリーも変わり、その環境に合わせた仕組みに、変わっていかねばなりません。
だから、どんどん試すのです。試すと、最初は、まず間違いなく失敗します。でも、あきらめずに、工夫し試します。成功するまで、あきらめずに挑戦し続けます。こうやって実践してこそ、先人の教えを、自分のものにすることができるのです。

そして、『離』の段階です。
『稽古とは一から習ひ十を知り 十よりかへるもとのその一』と言う狂歌が『利休百首』にあります。
一言でいえば、これこそ『離』を端的に、表したものと言えます。
離れることにより、自由自在の世界が現れます。まさしく、自分の型を得られます。そして、これが、次世代に伝える、新たな知識となるのです。
この知識を生み出し、伝えることで、自社の特長を確立し、社会に貢献し続けていける企業を目指しています。

アドヴォネクストは、2008年、百周年を迎えることができました。
百年前は、石版印刷技術で、お客様のご要望にお応えしていました。今は、コンピュータを駆使し、紙にこだわらない、IT技術で、お客様のご要望にお応えしています。
また、21世紀は、モノ中心の時代から、心とこころを結びつける時代になると思います。これからは、人間力を高めることも、必須の時代になってきました。
効率だけを、利益だけを、目指すのではなく、係わった仲間達すべてが、いきいきと仕事ができる会社を作り、お世話になった、お客様に感謝し、これからも、いや、これまで以上に、ご愛顧いただける企業を目指していきます。